スポンサーサイト

上記の広告は90日以上記事の更新がないブログに表示されます。新しい記事を書くことで、こちらの広告が消せます。

  

Posted by チェスト at

2013年12月25日

叔母は姉に連れられて天国に行きました

座禅生活151日目。


10年ほど前の話ですが、私には叔母がいました。

父の姉に当たる人です

彼女は当時重い病気で、あと3ヶ月もつかどうかという状態でした。

普段親しく接している人ではなかったのですが、何となく父に連れられて病院にお見舞いに行きました。




叔母の病状はよくありませんでした。

ずっと寝たきりで会話もできない。

父はそんな状態でも「ほら、しっかりせんね」とか「今日は顔色がいいね」とか叔母にやさしく声を掛けながら、彼女の身の回りの世話をしていました。


ある日のこと。

父と一緒に病院へ行きました。

病室に入ると叔母が寝てたので、父は「トイレに行ってくる」と言って病室から出ました。

病室には叔母と私の2人きり。

ところが父が出て行ってすぐ、叔母が「ウーン」とうなり始めました。

私が「どうしたの?」といっても、「ウーンウーン」といってもがき、動こうとする。

「どうしたの?きついの?」と言って背中をさすったりしても落ち着かず、何かを訴えている様子。

目の前にすいのみ(水)があったので、とっさに「喉が渇いたの?」と叔母の口にそれを含ませました。

するとそのとき、叔母はじーっと私の顔を見つめました。

しばらく私の顔を見つめた後目線をはずし、少し水を飲みました。


父が戻ってくると、叔母は「ウー」とすがるように父に身体を向けて何かを訴えかけました。

そして

「姉が来た」

「姉が迎えに来た」

と小さな声で言いました。

実は叔母には姉がいて、数年前にガンで亡くなっていました。

叔母と姉は両親がおらず、小さいときからお互いを支え合って生きてきて、すごく仲が良かったそうです。

父は最初は「何言ってんの。姉はここにはいないよ」と言っていましたが、あまりに叔母が何度も言うので「ああ、あんたにがんばれって言いにきたんだよ」と言っていました。

その次の日、叔母は亡くなりました。


状況を考えると、「姉が迎えに来た」というのは本当だったんだと思います。

叔母は迎えに来たお姉さんと手をつないで、天国に旅立ったんだと思っています。

じっと私を見た叔母の顔が今でも忘れられません。





人気ブログランキングへ