2015年08月27日

怒りの感情と虐待の連鎖

座禅生活726日目


母親によると最近息子が反抗的だそうです。言うことは聞かないし行動も遅い。何度言ってもテレビに夢中で聞いていない。母親が何度も何度も言うと「わかってる!」と大声で叫ぶそう。ちなみに息子は5歳です。


父親としてはそこで喝を入れるべきなのかもしれませんが、とりあえず黙ってみています。息子の反抗が健全なものなのかどうかを見極めたいのです。僕にとってはたとえ息子の反抗が全く理屈の通らないものであっても怒りの感情をしっかり表現していることにうれしい気持ちすらあります。


怒りの感情は生きるエネルギー。きちんと放出してあげることが大切です。


僕には4歳上に兄がいて、彼は小さい頃親にかなり強烈な暴力を受けていました。体の大きな大人が力で押さえつけてくると子供は何も出来ません。反抗したり言い返せばひどく殴られることがわかっているので子供は自分の気持ちや感情を内側に閉じこめ何も言わなくなります。


それが生きていくための唯一の方法だからです。


ただしそれでため込んだ感情がなくなるわけではなく心の奥底に眠っているだけなので、成長してからいびつな形で姿を現す場合が多いです。


そしてそのような家庭ではその後も健全な親子関係・家族関係は見込めない事が多いようです。


うちも例外ではありませんでした。虐待を受けた子供は社会生活が送れないことはよくあります。ひきこもったり人とうまく関われなかったり・・。生きる力を親に力でねじ伏せられてしまった結果です。


虐待を受けた子供が成長して親になってから自分の子供を虐待することもよく知られています。小さいときに安心して生きられなかった不安や怒りがより弱い立場の者に向けられるのです。


そんな兄が行方不明になってからもう30年ほどたちます。今どこで何をしているのか…生きているかどうかも定かではありません。


そういうこともあって僕は自分の息子にはあまり厳しくしないようにしています。度を超えた反抗はいけませんが成長期の健全な反抗はきちんと表現しておかなければならないのです。


人が人として成長していくための通過点のようなものですね。




Posted by パット at 16:17│Comments(0)
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