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座禅生活187日目。
堀江貴文氏の新刊「ゼロ」を読みました。
彼はかなり世の中を騒がせたので、みんなよく知っていると思います。
小さい頃から抜群に頭が良くて東大に進学。
東大在学中に起業して、「ライブドア」という会社を立ち上げる。
若き社長として注目を浴び、会社は日本有数のIT企業に発展。
当時ノーネクタイにジャケット、ジーパンのラフな服装で仕事をしていて話題になりました。
自ら起業して自分の生きたいように生きる。
会社勤めに夢を見いだせない若者にとって、憧れの存在でした。
彼の影響を受けて、学校を卒業してから起業する人が増えました。
でもそのクールな姿勢や態度から、いろいろな人から煙たがられました。
雑誌などでもかなり叩かれましたが、彼は気にしない姿勢を取りました。
「言いたいやつには言わせとけばいい」
「たんたんと仕事をしていればいいんだ」
そんな感じで、何を言われても自分の姿勢を崩さないので、さらに嫌われたようです。
彼が書いた「稼ぐが勝ち」という本も、その衝撃的なタイトルと内容から賛否両論でした。
「お金のことしか頭にない守銭奴」とまで言われていました。
その後、自民党から立候補したりしましたが、証券取引法違反で逮捕。
最後まで無罪を訴えましたが、有罪になり、1年9ヶ月を獄中で過ごすことになります。
今回読んだ「ゼロ」と言う本は、いつも強気だった彼のイメージを覆すモノでした。
彼自身怒濤の人生を歩んで、人生観が変わったようです。
内容を一部抜粋すると、
いろいろあって、保身に回った人もいたが、今は誰も恨んでいない。
獄中では死というものをよく考えた。
お金より大事なモノがある。それは信用である。
本当はみんなとつながり、みんなと笑い合いたい。
以前は「分かってもらおうとする姿勢」が足りなかった。
誤解をそのまま放置してしまったのがよくなかった、等々・・・。
彼の好きな言葉は「諸行無常」。
万物は流転する。
すべては流れる川のように、ひとときとして同じ姿をとどめないという意味の言葉。
良寛も同じようなことを言っています。
我が生(しょう) 何処(いずこ)より来たる 去って 何処にか行く
「我が命はどこから(何の為にこの世に生まれて)来たのか。(何の為に生きているのか。そして、
やがて)去ってどこに行くのか」
何もかもが違う2人が、同じような言葉を言っているのが不思議な感じがしました。
堀江氏にとって逮捕収監は、天国から地獄に落ちるような、かなり大きな災難だったはずです。
「ゼロ」では彼が独房で自殺を考えるくらいもがき苦しんだ末、出来事を受け入れ、「いまここ」に落ちついている様子が書かれています。
災難について、良寛はこう言っています。
『災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候。
死ぬ時節には、死ぬがよく候。
是ハこれ災難をのがるる妙法にて候』
災難に逢ったら、それから逃げ出そうとせずに、災難に直面するがいい。
死ぬ時がきたら、ジタバタせずに死ぬ覚悟をするがいい。これこそ災難をのがれる妙法なのだ。
昔の堀江氏は当時の部下に対して常にぶっきらぼうで、かなり冷たい態度だったそうです。
それにもかかわらず、その後逮捕収監されたとき、社員から「会社は大丈夫だから、がんばってください」とたくさんの励ましのメッセージが書かれた色紙をもらったといいます。
独房でそのメッセージが書かれた色紙をもらった時、彼は声を出して泣いたそうです。
そしていま「ゼロ」というタイトルにもあるように、すべてを受け入れて「いまここ」に落ち着いています。
本の帯にある彼の写真も落ち着いていて、「あたたかみ」も出てきています。
現状への感謝とすべてを受け入れる覚悟があれば、人生は「恐れるに足らず」です。
今日もここに来てくれてありがとうございました。
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