安心して天国へいきましょう
座禅生活147日目。
聖路加病院の日野原先生が言っていたことを思い出しました。
先生は京都大学医学部を卒業して医師になったばかりの頃、初めて担当患者を持ちました。
16歳の少女で、目の大きい美しい娘でした。
結核性腹膜炎という病気で、家が貧しく母が働いていたのでなかなか見舞いに来れず、いつも一人で寝ていました。
下痢が続き様態が悪くなって、個室に移されました。
少女は「先生、長い間ありがとうございました。母が来るまで持ちそうにないから、母に感謝していたと伝えてください」と言いました。
若かった先生は「助かるから、そんなことを言ってはいけない。お母さんもすぐ来るからがんばりなさい」と、強心剤を打ちました。
しかしそのかいもなく、少女は亡くなりました。
その後、日野原先生は思い悩まれたそうです。
あの時なぜ「安心して天国へ行きなさい」と言ってあげられなかったのか。
強心剤を打つより、彼女の手を握ってあげて安心させてあげられなかったのか、と。
日野原先生は、この世の最後に、自分が生を与えられたことに対して「ありがとう」と、自然に言えるようにしたいと言われます。
強いモルヒネを打たなくても、自分は死んでいくという意識を持って「ありがとう」と言って死んでほしいという思いのようです。
私たちはみな死にゆく存在です。
人生は期間限定の短い期間。
どんなにお金があっても、どんな豪邸に住んでいても、裸一つで一人で死んでいきます。
瞬間瞬間を大切に、心豊かに生きていくことが豊かな生きかたです。
生かされていることに感謝をして、日々を慈しんで生きたいものです。
今、辛い環境で暮らしている人は、ありがたいことがたくさん隠れているのかも知れません。
気付く事が出来さえすれば、いつでも幸福になれます。
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